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わりと好きかもしれません。

お気に入りの数学の話題について、ぽつりぽつりと書きつづっていければと思います。

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森博嗣「λに歯がない」を読んだ。
ということにすごーく間接的にちなんで、
今日は「すべてがFになる」で少し有名になった問題について書いてみます。

【問題】
1から10までの自然数を二つの組に分けて、
それぞれの組の数をすべてかけ合わせる。
このとき、こうして出来る二つの積が等しくなることがあるか?

解答を「すべてがFになる」から引用してみます。


「(前略)1から10までの数字を二組に分けてごらんなさい。
 そして、両方とも、グループの数字を全部かけ合わせるの。
 二つの積が等しくなることがありますか?」
「ありません」萌絵は即答した。
「片方のグループには7がありますから、積は7の倍数になりますけど、
 もう片方には7がないから等しくありません」
「ほら、7だけが孤独でしょう?」真賀田女史が言った。

(森博嗣「すべてがFになる」)


さて、この問題は「1から10まで」で考えていますが、
他の数、たとえば「1から100まで」と変更したらどうなるでしょうか?
この場合は、たとえば97という素数が上の解答における7の役割を果たします。
つまり、1から100までの数をどのように二つのグループに分けたとしても、
片方のグループには97があるから積は97の倍数になるけれども、
もう片方には97がないから積は97の倍数にならないので、
二つの積は等しくありません。

実は、一般にnを2以上の自然数とするとき、
1からnまでの自然数を2組に分けて、それぞれの積が等しくなるようにすることは出来ません。
証明の方針は全く同じで、7と同じ役割を果たす「孤独な数」を利用します。
簡単のためにnは偶数であるとして n=2m とします。
m=1のとき、つまりn=2のときは手計算で確かめられるので、m>1と仮定します。
このとき、次の事実がカギとなります。

【チェビシェフの定理】
任意の自然数 m>1 に対して、m<p<2m を満たすような素数pが必ず存在する。

この定理が保証する素数pが「孤独な数」です。
条件より 2p>n なので、1からnまでの自然数の中にpの倍数はp自身しかいません。
従って、1からnまでの自然数をどのように2組に分けてそれぞれの積を作っても、
その片方だけがpの倍数で、もう片方はpの倍数ではありません。
つまり、2つの積は決して等しくならないわけです。

なお、チェビシェフの定理の証明は、
素数分布に関してきちんと説明してあるような
任意の数論のテキストで発見できるはずです。
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